[ T.N.ベースによる街づくり ]
[ 断面構造と路面下での水の流れ ]
現在、透水性舗装と名のつく舗装工法は多数ありますが、T.N.ベースは、その中でも、とび抜けた透水性を有しています。
透水性の評価には、透水係数(cm/s)という指標が用いられますが、T.N.ベースではごく普通に1~3cm/s程度という高い値です。このサイトでは、驚異の透水性を動画で確認していただくことができます。バケツをひっくり返したほどの水(雨量に換算すると、1万mm/h以上)も一瞬で消える(透水する)ほどです。
T.N.ベースの構造体は、内部(路面下)に30%程度の空隙を持っています。この空隙に、雨水を透水・貯水できるのです。例えば、100平方メートルで30cm(0.3m)の厚さなら、(100×0.3×30%→)9立方メートルもの水を貯水できます。
この貯水能力とは、時間あたり100mmのゲリラ豪雨が1時間降った時の雨(→10立方メートル)にほぼ相当する水量を路面下に貯水できることを意味しています。
流出係数において、0.5程度は無理なく可能で、設計によっては、さらにそれ以下に下げることも十分可能です。すなわち、この貯水能力によって下流域の洪水を防ぐ工夫になります。
T.N.ベース内部の空隙は「連続空隙」であるため、路面下で水平方向に水を流すことができる技術です。まるで地下水路のようであり、さらに、アスファルト路面を流れる水の1/10程度であり、ゆっくり雨水を流すことができるため、豪雨時でも河川等へ急激に雨水が集中することを防げます。
T.N.ベースは、路盤に砕石等を使用することなく、路床を改良して強化し、その上に直接(路床の被膜処理を行った上で)、ポーラスコンクリート(POC)を現場打設することを標準としています。従来の舗装構成では、路床や砕石路盤等が、経年や雨水の浸透により軟弱化して、アスファルト舗装の場合、陥没やひび割れを引き起こし、インターロッキングブロックの場合、損傷・凹凸の発生がありますが、そのような損傷を防止することができます。
また、基層と表層の適切な骨材粒径設定及び高い透水性のため、少々の土ぼこりがあろうとも目詰まりすることなく、長期に美しい見栄えと透水性を確保できるのです。
[ 橋及び道路への適用例 ]
[ バケツの水も瞬時に透水 ]
T.N.ベースは、意匠性の高い透水性舗装工法として、都市の道路・歩道・建物外構・駐車場等に適用することにより、ヒートアイランド現象を防止し、建物に対して、また歩く人・自転車・車イス等に対しても水はねなどが起こらない、快適な都市空間を整備できるとともに、なおかつ、災害に強い(ゲリラ豪雨対策)街づくりに寄与することができます。
ポーラスコンクリートとは・・・機能性材料
POC(ポーラスコンクリート)は、内部に空隙をもつ「おこし」状のコンクリートです。
構造物や床面に使われていた従来の普通コンクリートは、強度を重要視して作られていた構造材料であり、一方、ポーラスコンクリートは、透水性(排水性)、通気性、保水性、熱特性、吸音性、衝撃吸収、植生・生物生息の許容性など、多方面の性能を重要視して使用されています。とくに、建築・都市計画・環境保全等において注目されている新しい機能性材料です。[ ポーラスコンクリートのカットサンプルと断面図 ]